黒部・見えない力に導かれて 

日程:2001・8・18〜21
宿泊 18日(黒部市国際文化センター・コラーレ24時間ライブ中)
    19日(スタッフの方のおうち)
    20日(黒薙温泉)

前説・コラーレ24時間ぶっとおしライブについて(&、雑感)

今年もやって来ました、恒例のコラーレ・24時間ライブ。
毎年24時間TVに連動して、出演者もスタッフもオールボランティアのイベントをやっているのです。
で、私と相棒Kは去年初めて、大学の劇場実習という名目で参加したのでした。
実はこのホール、私たちの師匠の会社が建設時にコンサルをやっていたというのもあり、
去年はそれはそれはご丁寧な温かいおもてなしと超過酷な労働(ウソです…)で迎えられたのでした。
去年も今年もボランティアスタッフと同じ待遇で使ってもらったのですが、
黒部の(ほかの市町村からもたくさん参加してます)ボランティアスタッフと
バンドのメンバーのパワーに押されつつも、なにより「その場」の空気が楽しくて楽しくて、
今年も図々しくお邪魔したというわけです。
今までに実習なりバイトなりで入った小屋(劇場のことです)では味わえなかった体験。
いつも劇場で働くことは楽しい(「劇場」という空間に自らを存在させることが好きなのです。)
時間なのですが、ここは格別。
普段は、いっしょに働くのはその業界に片足を突っ込んでいる大学生(私たちのような人間)か、
その道のプロのお方しかいないので、ほぼ全員が仕事の段取りが大体解っています。
しかし、半分素人の私は仕事そのものを楽しむほどの余裕はまだありません。
しかし、このライブはたくさんのボランティアスタッフ(全くの素人から、玄人はだしまで様々)で
運営されるため、いつもよりほんの少しだけ自分的には仕事量やら時間やらに余裕があるわけです。
だからといって仕事に手を抜いているわけではありませんが(笑)
周りを見回す気持ちの上での余裕ができるのでライブそのものを楽しんだり、
いきいきと働くスタッフの姿を見て「いいなあいいなあこういうの。
こんな劇場を作れる人間になりたいなあ」とあこがれを抱いてみたり(笑)
うまく言葉にできないもどかしさもあるけれど、とにかく楽しい!
みんなのパワー、お客さま、一年間貯めたお金を募金しにわざわざ来てくださるお客さま、
その場にいる全ての人間が、私を笑顔にしてくれる。そういうお仕事って、単純にいいと思いませんか。

8月18日

午前2時すぎまで今年も一緒に参加する相棒K池と長電話もとい、軽い打ち合わせ。
劇場という現場に出ることも久しぶりなので、なんとなくそわそわする。
当日制作って何度もやっているはずなのに、大好きな黒部だから?コラーレだから?
うとうとするうちに朝が来て、落ち着かないので早めに家を出る。
池袋のスタバで朝食。
開店直後にしかもマイタンブラーで来店するアメリカ人のような客、それは私(笑)スタバでK池と落ち合う。
バス乗り場につくと、今回の地獄の道連れ(爆)I橋と、O瀧くん集合。あとは、現地集合の一人。
私はK池もI橋も久しぶりだったので、バイト先のバカ話やら近況を話すうち、バスは進む。
途中事故渋滞のため、ほぼ30分遅れで黒部到着。
途中新潟に出て日本海が見えたあたりから、空気が格段に澄んで美味しい。
実家に戻るときもそうなのだけれど、空気が美味しいととたんにお腹が空く。
なぜか常にひもじい胃袋と化してしまうのである。かくして今回も例外ではなくSAで日本海を眺めながら、
東京がどこかへやってしまった強い日差しの下でO瀧くんとアイス。ん〜、美味しいったら(笑)
劇場スタッフにお迎えに来ていただきコラーレにつくと、もう一人合流。
今年初参加組をつれて、コラーレ一回り。仕込みはすでに始まっている。
というより、ほとんど終わってたんだけど・・・
スタッフTシャツ(お揃い)に着替えガチ袋の中身を確認してから、本番前の夕食のひととき。
約一名、すでに踊ってるのがいたような(笑)
今からそんなじゃもたないよ〜、24時間。明日の夜7時までなんだから。
飯の後、スタッフ面通し。去年もいた顔がたくさんいる。今年もよろしうたのんます。
いよいよ本番開始!今年もまた、オープニングから踊ってしまいました…
クラブ通いもご無沙汰な私にとっては久しぶりの生音。昔とった杵柄なのかな?
つい、踊っちゃう。もちろんちゃんと仕事しながらだけど。だって楽しいんだもん!
そんな高いテンションのまま夜は更ける。時間のたつのが速いはやい。

8月19日

夜半、シフトが違うI橋就寝。私はというと、募金集計のリーダーになっていたので(!)
ひたすら回収と集計。ある1時間、話をするうちにたまたまその時間集計に集まった私、
師匠の会社のにいさま、ボランティアスタッフの某マダム(笑)の3人はクラシック狂いだった!ということ発覚。
そこでマダムに劇場ボランティアになったきっかけやらなんやら(実は、実習のリサーチ)をうかがいつつ
クラシック話に花が咲く。更ににいさまとマダム、同じコンサートをリアルタイムで聞いていたこと発覚。
ちきしょー、聞きたかったぜギドン・クレーメル。
マダムは母親と同じ年代だということもあって、私にも彼女の環境というのは手にとるようにわかる。
金沢の実習でもそうだったんだけど、「子供が手を離れて時間ができた主婦」っていうのは
貴重な戦力になり得るんだよね。人を一人生み育てるだけのパワー、
バイタリティがそっくり余ってるわけだからね。彼女にも私の母親に通じる悩みなどもあり、
母と話すような錯覚におちいる。(うちの母親もクラシック好きなので)うちのおかーさんにも、
こんなキラキラした時間もって欲しいなあ。マダム、いいお話をありがとうございました。
私たちのシフトは朝9時まで14時間労働(爆)しかも、最後の3時間にかなり重要なお仕事
(重要でないお仕事なんてないけど)。フタを開けてみると、来年はその係のチーフだから♪
っていうことで今年のうちに仕事覚えようね。ということでした。ちち、ちーふぅ?なんですと?
来年もサブチーフでお願いしますよお・・・。
仕事が終わるなり、仮眠室で意識を失う。
                       *
休憩はまだまだ残っているのに、1時間も前に空腹で(またか)目がさめる。
ほんの少ししか寝ていないのに、熟睡したせいか気分もすっきり。起きがけにパンをほおばる。
美味しい・・・ほんとよく食べてるなー。3時間おきに食べてる。新生児さながら。もう育たないのにね。
時間ぎりぎりになって、K池を起こし、仮眠部屋片付け。
すっきりした顔で出て行くとホールはもう、ラストに向かって最後の盛り上がり。
去年も思ったんだけどこのライブの最後って、なぜか高校の学園祭を思い出させる。
祭りの最終日とかね。なんとなく、これが終わると夏も終わり、みたいな感覚。
ファイヤーストームがあったりね(笑)なので、私たちもまた踊る、踊る。あークラブ行きてぇ・・・。
最後の炎が燃えきってしまうと、そのままのテンションでバラシ。もちろん、軍手用意OK!
今年は自分でいうのもなんだけど(笑)いつになく気が利いている自分。
どーした?(だから、台風が来たのか!?)と思う間もなくひたすら、肉体労働。
労働の後には、これまた楽しい楽しい打ち上げが待っていた!
引き続き売り子となってビールやら頂きもののワインやらを売りながら、まだまだテンションの下がらない
マルチホールで、みなさんの笑顔を楽しむ。そして来た来た、恒例の裏ブルース・ライヴ!
これを歌っているお方は今夜のお宿を提供してくれた方。本人はもうやめたがっているのだけれど、
みんながそれを許さない(笑)というわけで、今年もありました、ブルースライヴ。
これを楽しみに東京から参戦してるんだから、やめちゃイヤですよ、ねえ(爆)
アルコールもほどよくまわったところで、一度お開き。
何しろ明日は月曜で、たいていの人はお仕事なので。。。というわけで、もちろん二次会組に参加。
大学柄なのかも、というのが最近判明したのだけれどとにかくうちの大学は飲む、飲む。
女だろうが男だろうが教授だろうがお構いなし。次の日が明けてから(つまり、12時以降)が勝負。
早稲女の名にかけて(笑)飲みますとも、ええ。
ほどよく飲んで、次の日は月曜と言うことで解散。私たちは、スタッフさんのおうちにお世話になるため、
家に向かう。新築と聞いていたけれど、こんなステキなおうちに住んでいるとはっ!
んー。最高。私の寝床はロフトだったはずが、暑さのため一階に変更。
これまたひろ〜いジェットバスに浸かり、相棒と明日の予定について打ち合わせ。ああ、一日が長いー。

8月20日

目覚ましにたたき起こされ、家の主をさらにたたき起こしに行く(笑)もう変死体と化している主。
なかなか手ごわい。あまりに起きる様子がないので、放置プレイにしてみる。
その間に急遽きまった私と主の「黒薙温泉ツアー」参戦の手配。もともとはK池とI橋が行くはずだったんだけど、
本当に「見えない力」としかいいようのない力に導かれて、私とこの家の主さんも行くことに決定。
主、ようやく起床。宇奈月まで車で行って、そこからトロッコ電車で行くことに決定。黒薙、結構寒いらしい。
やっぱり山だしね・・。予想外だったので、用意がないよー。ま、仕方ないな。
別の場所で待機していたI橋と合流し、昼ごはん。わーい、初「ぶりトロ」だあ。
もっと生臭いのかと思ってたけど、結構美味しい。トロってつくだけあるよね、やっぱり。
昼食後、車で宇奈月に向かう。ここまではなんとなく下界。(と、あとで思った。)
トロッコ電車で宇奈月を発つと、もうすぐに黒部渓谷。切り立った断崖絶壁のような谷を、とことこと電車は進む・・・。
まるで、遊園地のジェットコースターのあの、速くなる前がずっと続いてるような感じ。
なので、わけもなく落ちかない(笑)いつ急降下がくるか!?
などとバカなことを言っているうちに、黒薙に到着・・・・なのだけど、道がありませんよ、師匠!
切り立ったけもの道状の山道をひたすら登る。山歩きなんて、久しぶり。小さいころは日曜になるといつも、
父親が山に連れて行ってくれてこんな山道を父に手を引かれて歩いてた。
足を踏み外せば即別世界の人になれてしまうような山道で感じたノスタルジー。

ね、遊園地っぽいでしょ?(笑)
こんなトロッコで、とことことのぼっていきます。
BGMはもちろん、フニクリフニクラ!
←子供のように大パノラマに夢中のI橋。
→むちゃくちゃ大きい鉄の管、
これで温泉を下界宇奈月に運んでいるそう。
←針葉樹でとがった(?)山を
ボンヤリ見つめる私。


てくてく歩いてまさに文字通り、一軒宿に到着。
上の写真のような大渓谷に抱かれて入る露天風呂が楽しみ!ってことで
歩いてきた私たちはすでに汗だく。ここらで一っ風呂でしょう。やっぱりね。

・・・ところが。
山です。夏です。ってことは、当然虫がいっぱいです。基本的に川べりの水場なので、蚊とか。
それが蚊だけじゃなくて、ここではすでに名物と化している「オロロ」と呼ばれるブヨの一種。
風呂に入るってことは、当然何も身に付けておりませんね(笑)
=丸腰(笑)オロロの襲撃をかわすものはタオル一枚。3人で襲撃をかわしながら戦うも、
逃げ場は温泉の中。さすがに永遠に潜っているわけにはいかないので、顔だけは常にピンチ!

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